「プリンセス・プリンシパル」の感想
1、はじめに
全体的に非常にクオリティの高いアニメだった。作画然り、キャラクターしかり。ストーリーもよく出来ていた。しかし、私はこのアニメを12話見て、かなり違和感を覚えた。
2、最終話
違和感の原因を探るにあたって、まず最終話付近について触れたい。アンジェとプリンセスは11話で仲違いをしていたが、結局仲直りをして5人のチームに戻る。そういう筋だった。
その11〜12話の展開がやや軽すぎたのである。このアニメの終わりに持ってきて、共和国と王国の思想だとか、国民を救うとか、大層なことを言ってる割に仕掛けが少ない。プリンセスは確かに危機に晒されたが、これまでの展開と比べて特に緊張感の増した展開ではなかった。
3、一つ目の原因
最終話がしっくり来なかった原因は2つあると考えている。まず一つ目に、序盤のドロシーの父親が殺されるストーリーを配置した点である。あそこで読者を引き付けることには成功したが、結局あの話が1番悲劇的だった。なのでそれ以降は緊張感の無さが目につくことになる。
4、二つ目の原因
キャラの掘り下げをかなり重点的に、かつ平等に行っていた点を二つ目の原因として挙げたい。
チームは5人であるが、アンジェとプリンセスに絞りきらず、ちせやベアト、ドロシーメインのストーリーが多く感じられた。結果として最終話まで、中心となる二人に焦点が合わないまま突き進んでしまったといえる。
5、総括
一つ一つの要素を見ればかなりクオリティの高いアニメだった。しかし12話を通じて強いメッセージ性を持つ事には失敗していたと言える。
また、ベルリンの壁を思わせる設定、本格的に描かれた近代的な背景が活かしきれていなかったと感じる。これは筆者が過剰に期待していただけかもしれないが。結局、女の子×スパイという軽薄なアニメの範疇に収まってしまったと感じられたのが、残念だ。
6、最後に
5人とも大好きだし、この世界観も好きだった。二期は期待していないが、もっとこの5人の話が見たかったと思う。